組み合わせや視点を変えると新しい企画が生まれる。その最たる例を実現!
組み合わせや視点を変えると新しい企画が生まれる。その最たる例を実現!
2年ほど前に生活者向けのプロモーションを軸とした広報活動に力を入れ始めたブルドックソース株式会社は、新たな顧客獲得の必要性を感じていた。それは50代以上の年齢層には、指名買いをするほど不動の地位を獲得しているが、それ以外の年代はそこまでには至っていない現状がある。どのような施策を考えれば良いのか?担当者から、新たな視点を持つ重要性に気づき実施したプロモーションについて、お話を伺った。
ブルドックソース株式会社
経営企画室プロモーション課 課長 片山 仁様
経営企画室プロモーション課 鍋倉 知奈様
1902年創業。2022年9月に創業120周年を迎えた。ウスターソース、中濃ソースといった定番ソースに加え、健康志向系、プレミアムソースなど、時代のニーズに合わせた商品を販売し続けている。
プロデューサー・統括責任者:佐藤 美由紀
課題
ー商品の認知度UP
ーシェア拡大
ー新しい顧客開拓
解決
ー新しい市場をターゲットにしたプロモーションの実施
ーSDGsを取り入れた企画
ーフードロス削減に貢献
想定外のターゲットを気づかせてくれた
デイリースポーツ案内広告社とお取り組みいただくきっかけを教えてください。
いま、調味料は非常に多様化しています。ケチャップやマヨネーズ、醤油など色々ありますが、野菜炒めにドレッシングを使用したり、とんかつに塩をかけたり、本来はソースを使う料理に他の調味料が使われ出して、使用シーンの垣根を超えてきているのです。
また、ドレッシングは幅広く新商品が登場しますが、それに比べてソースの種類は、ウスター、中濃、とんかつ、お好み焼、焼そば等が定番となり市場もそれほど伸びていません。
とんかつを塩で食べている方達に、“ソースを使ってください”と言っても、直ぐには変わっていただけないですよね。どうやったら刺さるのかを考えた時に、味噌とソースを合わせた「万能味ソース」の提案や、ケチャップとコラボしたりと幅広い調理用途を認知させるプロモーションを行ってきました。
様々な施策を考えているとソースを活用できる幅や、例えば添加物が使用されていない事など、まだまだ多くの方達に認知されていない点が多いということに改めて気づくことができました。
現状を踏まえ、どのような施策が必要だと考えましたか。
小さい頃から現在も、食卓にはブルドックソースが当たり前の家庭でしたので、お二人にお会いする前に、ソースのWebサイトを見ていた時にソースにもいろんな種類があることを知った時は衝撃でした。
鍋倉さんとお話しをしていた時に、改めて表示ラベルを見ましたらソースの原料には野菜があることを知りました。弊社はフードロス削減に積極的に取り組んでいる「フリフル」さんとお仕事をしているので、「野菜」はキーワードになるのではないかと思ったのです。また、SDGsがメディア等で頻繁に取り上げられていた時期でもあったので、野菜、SDGs、ソース、この3つがリンクする施策を考えました。
社内でもSDGsをテーマにした企画を考えたことはなかったので、提案資料を見て、先ずは素直に面白い!と思いました。今までは、ターゲットとして料理に関心が高い人を選びがちだったのですが、食材や野菜など、環境のことを考えている人に向けてという提案を聞き、幅広い視点で捉える必要性を教えていただいたと思っています。
タイミング的に、弊社もホームページでSDGs宣言をオープンする時期でした。原材料に野菜、果実、酢、香辛料など、我々が原料で供給していただいている農家さんの現状はどのようになっているのか、打ち合わせの中で話を聞いて考えさせられ、気づきとなりました。
世の中に貢献できるキャンペーン
共感していただいた企画内容を教えてください。
タイトルは、『生産者支援で規格外キャベツ6,000kgの食品ロス削減!“Jソースで食べる絶品お好み焼材料セット&キャベツもりもりプレゼントキャンペーン”』。
キャベツ6kg相当、Jソース2本、だし香る おうちで本格 お好み焼材料セット1袋を1,000名様にプレゼントするというものです。
本来廃棄されてしまう規格外のキャベツ6,000kgの食品ロス削減に貢献しようと考えました。
様々な野菜がある中、なぜキャベツを選んだかというと、鍋倉様に「お好み焼き」はどうかと提案していただいたからです。
弊社で「お好み焼材料セット」を販売していたので、うちにはお好み焼があるじゃないか!って。キャベツが山盛りで届いたら面白いですし、手軽に作れるからどなたでもチャレンジしやすい料理だと思ったのです。
キャンペーンのプレゼントを受け取った方はキャベツもJソースも体験できて、企業の想いも理解してもらえる。しかも、材料と商品の相性も良いので、迷わずこの企画になりました。
「Jソース」を選んだのも理由があります。Jソースは、お好み焼・とんかつを中心に、粉もの、揚げものどちらも相性が良く、美味しく食べられる新しいソースです。でもこれは、食べてもらわないと分からない。この企画なら、まずはお好み焼にかけて食べてもらえるシチュエーションができますし、おいしさが分かったら、自然に揚げ物にもかけてもらえると思いました。
結果はいかがでしたか。
合計1,000名の当選に対し、5,386名の方に応募を頂きました。当選の喜びをSNSに投稿してくださった方が多く、見つけた時は嬉しかったですね。
1人に6kg分のキャベツなので、だいたい7〜8個、大きなキャベツでも5個が届きます。これだけの数、通常は家にないので、お裾分けしました!というSNSを私も見ました。
6,000kgということは、6t。“6tなんてすごいじゃないか!”って、社内からもキャンペーン実施前から反響は大きく、驚いていました。役員からも、いろんな要素が含まれた企画だねと、好評でした。
第2弾も実施されたのですね。
第1弾ではJソースとキャベツの組み合わせでしたが、他にも様々な組み合わせができるのではないかと、社内で話が出ていました。第1弾が好評だったので、新たに他の商品でも出来ないかと、デイリーさんに相談しました。
2022年の8月に新商品で4種類の「素材を味わうDRESSING」が発売されたのですが、これが本当に美味しいんですね。このドレッシングをぜひ多くの人に味わってもらいたいと思い、サラダセットにしたらどうかと考えました。
その上で農家さんに交渉して実現したのが、「生産者支援で規格外野菜3,000kgの食品ロス削減 からだも心も農家さんも社会も“しあわせ” 4種の素材を味わうDRESSING&4種の規格外野菜 4合せプレゼントキャンペーン」です。
第1弾と合わせて、総計9,000kgの食品ロス削減を達成することができました。
キャベツで成功したので、野菜を変えれば同じように成功するという確信があり、企画自体は安心して任せました。営業がこのドレッシングを売り込む時期に合わせ企画を実施したので、社内での連動ができたのは良かったですね。
今後も、世の中の少し先をゆく企画に期待
デイリースポーツ案内広告社に対する感想はいかがですか。
生活者に向けたプロモーションを始めたのが2年くらい前で、まだ土台も固まっていないそのような不安がある時期に、お付き合いが始まりました。社内で様々な取り組みを行なっていますが、デイリーさんの提案が役立っているのは事実です。
SDGsに関心はありましたが、具体化はしていませんでした。そんな時にデイリーさんから提案があり、会社としても実績を残すことができたのは大きかったですね。
ありがとうございます。ブルドックソース様がいらっしゃって、フリフルさん、そして農家さんの協力がないと実現出来ません。皆さんのご協力あってこそ実現可能な企画だと思っています。
今後の展望を教えていただけますか。
今回の食品ロス削減の企画で、良いきっかけをいただきました。いろいろなことを察知して早く取組む必要性を教えていただきましたので、世の中のトレンドも含めて、これからも先駆けて出来ればと思います。
SDGsの観点から言うと、商品的には安全安心の商品開発を継続していきます。また、食と健康をテーマに食文化的な啓蒙活動をさらに強化していこうと会社では考えています。
地道できちんとした考えのプロモーションを継続してやっていきたいので、デイリースポーツ案内広告社の皆さんとは、今後も長くお付き合いできればと思っています。
「今後も」という言葉を頂けるなんて感無量です。
ブルドックソース様の商品や取り組みを、世に広めたいという思いが強くあります。企業の思いを、どれだけ伝えられるか。それが私たちのミッションだと思っています。