新たな顧客を獲得するために、これまで実施してこなかった施策でチャレンジ!
新たな顧客を獲得するために、これまで実施してこなかった施策でチャレンジ!
ヘアケア家電メーカーとして、シャワーヘッドを販売している株式会社クレイツ。初期の頃は競合商品が少なかったことも左右し、大きな売上実績を残した。その後、シャワーヘッドはニーズの高い商品だと認識され、多くの競合他社が参入。低価格の商品も登場した。昨年10月、新しいシャワーヘッドが発売されることになったが、このような状況下では、どんなに優れた新商品でも市場では埋没されてしまう可能性があった。しかし登場時からSNSで話題になり、新たな顧客層にも認知されることになった。どのような施策を実施したのか話を伺った。
株式会社クレイツ
マーケティング部WEBマーケティングチーム 山口美伶様
2000年代に“巻き髪ブーム”を牽引し、今年で創業40年を迎えるヘアケア家電メーカー。日本で一番最初にイオンドライヤー・アイロンを開発、発売。現在も「プロの美容師が選ぶカールアイロンNo1」に選ばれるなど、プロから高い信頼度を誇る。同時に「プロクオリティを毎日に」というコンセプトを掲げ、一般ユーザーにもサロン帰りのような仕上がりを実現できるヘアケア家電を提供している。
アカウントエグゼクティブ:南 修平
課題
ー多数の競合商品、新たな顧客層創出の必要性、商品の特徴の理解
解決
ーアニメコラボ、キャンペーンの実施、CM制作、駅サイネージ
登場時のインパクトを出すために、新たなターゲット像を設定
「ディープクレンジングミストシャワー イオムプラス」とは、どのような商品か教えていただけますか。
「ディープクレンジングミストシャワー イオムプラス」はシャワーヘッドで、いくつか特徴があります。まず1つ目がナノバブル(極小の気泡)で毛穴の中までディープクレンジングできること。
イオムプラスのミストシャワーから放出される大量の「ナノバブル」が、毛穴の奥まで届き、皮脂汚れやメイク汚れをしっかり洗浄します。また、加齢臭やスポーツ後などの気になるニオイの原因となる汚れにも働きかけます。また、シャワーモードが選べるので、水圧が弱い住居でも水圧を強くできたり、フェイスモードできめこまやかなミストが出せるなどさまざまな水流が楽しめ、節水効果も期待できます。値段も9000円(税抜)と高コスパで、付け替えがカンタンなことも特徴です。
新商品として販売するにあたり、課題はありましたか。
最初にクレイツから第1弾のシャワーヘッドを発売した時は、まだ他社も力を入れてはいないタイミングでした。そのためクレイツのシャワーヘッドへの注目度が高く、シリーズ累計で36万台出荷のヒット商品となったのですが、その後、多くの競合他社が参入してきました。
今回、新商品を発売するにあたり、あまりにも競合製品が多いので、このままでは埋れてしまうだろうという課題がありました。
社内ではどのような議論が行われたのですか。
多くのシャワーヘッドは女性をターゲットに広告展開やプロモーションを行っています。イオムプラスも同じように女性をターゲットにしたとしても、やはり競合が多すぎるので選ばれにくいだろうという結論になりました。そこで改めてイオムプラスの特徴を見直してみました。決して美容だけに特化していないんですね。ナノバブルは、部活男子や加齢臭などの気になるニオイの原因となる毛穴の中の汚れまで届く。そもそもシャワーを使用するのは女性だけではないので、家族全体をターゲットにしようということになりました。
家族へのアプローチの仕方は、どのように考えましたか。
ファミリー層ですが、家庭用品を購入するのはお母さんという家庭が多いと思います。息子が見ているアニメ、夫が見ているアニメも、ライフスタイルの中ではお母さんも一緒に家族で見ているだろうと考え、全世代が見ているアニメとコラボしようという案が出ました。
通常のタレントコラボではないし、ファミリー層が楽しめるアニメとシャワーヘッドがコラボするのは面白いんじゃないか!となったんです。何より、目新しさがあります。
デイリースポーツ案内広告社に頼んだ理由はなんですか。
以前、デイリー案内の実施事例として、アニメやマンガ、映画作品とのコラボ事例を紹介していただき、その時のことを思い出しました。デイリー案内なら、アニメとのコラボや監修もしていただけるだろうとお声がけしました。
クレイツさんがやりたい企画が明確になっている段階でお声がけしていただいたので、弊社ではベテランのプランナー、コンテンツ事業部のメンバーをアサインしました。
『キャプテン翼』とコラボされていますが、その経緯を教えてください。
クレイツさんの企画書の中に、ジャンル毎にアニメの候補が書かれていて、スポーツ系のジャンルの中に、『キャプテン翼』が候補の一つになっていました。
イオムプラスの発売日は10月なのですが、『キャプテン翼』のアニメの新シリーズも10月スタート予定でした。そのタイミングと絡めることで、キャプテン翼のファンにも知ってもらえることになると思いました。
実現すれば、クレイツさんが今まで獲得していなかった層の人にも認知されるので『キャプテン翼』を提案しました。
今までと違うことをしたから、今までと違う人に知ってもらえた!
提案に対する反応はいかがでしたか。
私は『キャプテン翼』の世代ではなかったのですが、社内では盛り上がりました(笑)。ターゲットにも合うし、海外でも人気のあるアニメなので、営業部からも賛同してもらえました。
弊社には海外法人があり、フランスやラスベガスの展示会にも出展することがあります。他のアニメより、海外人気が強い印象があったことは、決め手になりました。海外のサッカー選手にも人気がありますし。
弊社の自慢をするわけではないのですが、コンテンツ担当のスタッフたちは優秀で、監修側とのコミュニケーションはバッチリ。どのラインの企画までOKなのか、理解した上で進めることができました。原作、アニメ版権の皆様もとても協力的な対応をしてくださりました。本当にありがたかったです。新アニメが始まるタイミングでもあったので、本施策もアニメの盛り上がりの一助になれていたら嬉しいです。
施策の手応えはいかがでしたか。
キャンペーンを始め、CM動画を制作し福岡ローカルテレビCM、TVer&AbemaCM、駅サイネージで展開しました。これまでアニメコラボの施策を行ったことがなかったので、先ず、社内からの注目度は高かったですね。楽しい取り組みをしているなと感じて、社内広報的に商品をどんどん売って行こうという雰囲気づくりはできました。社外も同様で、営業がお客様とゴルフに行った時に、このコラボ企画の話しで盛り上がったそうです。
実施したLINEキャンペーンでは、アンケートと一緒に応募していただきました。アンケート結果をみると、最初に想定したターゲットである40〜50代の男性ということが分かり、答えあわせができたと納得した結果が得られました。
競合他社の商品広告が似たような手法になっていた時期に、イオムプラスでは全く違う広告手法にチャレンジしたということは、すごく良かったと思います。
ユニークなクリエイティブに仕上がったので、広告展開した時に、SNSでは「イオムプラスって面白いコラボをしている」と話題になり、認知度の向上としては良い施策になったと思いました。
アンケート結果は大きかったのですか。
キャンペーンの応募のアンケートでは、なんでこの商品を選んだのか?という問いに「『キャプテン翼』が好きだから」という方が多くいらっしゃいました。このポイントからイオムプラスを知ってくれた方達は、今までのクレイツさんのお客様の中にはなかった層なのかなと、新しい顧客創出にはつながったのかなと思いました。
確かにSNSの反応は大きかったですね。「『キャプテン翼』とコラボしてるのは何かと思ったら、あのクレイツ。金色のコテ10年前に使ってた」とか「HPで商品を調べたら、真っ白でオシャレなコテも出てる!」なんて、声もありました。もう一度クレイツを思い出してもらえるきっかけになったのは、とてもよかったですね。
今後の海外展開の強化に向けて、新たなコンテンツを期待している
今後、デイリー案内に頼みたいこと、期待したいことはありますか。
弊社は今後、海外展開を強化したいという思いがあります。
中国でもクレイツブランド展開に力を入れているのですが、2年連続で最も影響力のある家電メーカーとして表彰されています。また去年からクレイツの韓国法人と連携を強化して、「Repit(レピ)」という韓国ブランドを日本でもローンチしました。今年は、タイやベトナム、インドネシアなど、アジア各国でクレイツブランドを広める取り組みを行っていく予定です。そのための施策としてデイリーさんと、新たなコンテンツでも取り組めたら楽しいなと思っています。
ありがとうございます。
あらためて、ワールドワイドに活躍されている企業だと実感しました。
弊社は「プロクオリティを毎日に」というブランドコンセプトを掲げています。ヘアケア家電を中心に、エンドユーザーの方向けにも、簡単にプロの仕上がりになれる商品というのを展開しようと思っています。基本はヘアに関連するものですが、トータルに美と健康を支えるようなブランドにしていけるように開発に関しても力を入れています。新たな商品が誕生した時には、ぜひ良いアイデアをいただければと思います。
コンテンツ担当部署をはじめ、新しく弊社に加わってくれるスタッフの層は厚く、日々、ご案内できる内容も進化しています。
弊社には基本的にNGはありませんので、一度ご相談いただければ、うちのリソースを最大限活用して提案いたします。
ご期待に添えるように、頑張ります。