クライアントの意向を最大限に踏まえた企画は、結実すると、その広がりはとても大きい
クライアントの意向を最大限に踏まえた企画は、結実すると、その広がりはとても大きい
コロナ禍を経て、安心安全に対する意識はより強まった。世の中に、抗菌や抗ウイルス製品が数多く登場したのも、その一例だ。抗菌製品技術協議会が品質や安全性を認めた製品には「SIAAマーク」が表示されるが、認知度は高いとはいえなかった。そこで、同協議会がデイリースポーツ案内広告社に相談。認知理解を深めるための施策を立案した、その内容を伺った。
抗菌製品技術協議会(SIAA)
広報部会 石田 様(富士ケミカル(株))
SIAA(抗菌製品技術協議会)は、抗菌剤・抗菌加工製品のメーカー、試験機関が集まってできた団体で、1998年に設立。現在1000社以上の企業が入会している。抗菌加工製品に求められる品質や安全性に関するルールを整備し、そのルールに適合した製品に、安心のシンボルSIAAマーク表示を認めている
アカウントエグゼクティブ:布施 真琴
課題
ーSIAAマークの認知向上
解決
ーキャラクターの制作
目に見えないものを擬人化し、キャラクター化
SIAAマークとはどのようなものですか?
1996年にO157が発生いたしまして、その時に皆さん、さまざまな抗菌製品というものを作って販売がスタートし、まな板や、あらゆる食品用等の容器などが抗菌加工製品として世の中に出てきました。
しかし、日本で無機系抗菌剤を開発したけれども、試験方法や安全の方法などの基準がなかったんですね。本当に安全性の高いものなのか、さらには抗菌効果がちゃんとあるのかどうか分からない。
そこで、みんなで規格を作ろうというところで、抗菌製品技術協議会というものを立ち上げました。そして、せっかく作ったのであれば、認証マークを作ろうということで誕生したのがSIAAというマーク。目に見えない細菌やウイルスに対して、安全性と効果が証明されたものが認定されるシンボルマークです。
どのような課題がありましたか?
抗菌製品というものは、多岐にわたっています。
お風呂などの水回り製品をはじめとした日用製品。エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品。シフト、ハンドルなどの車関連。あとは壁紙、床材の住宅系。さらに印刷関係、インキ関係など、いろんな用途に抗菌剤が採用されています。
また、このコロナ前350社ぐらいだった会員数が一気に1000社超えるまでに増加し、同時にコロナウイルスによって、抗菌や抗ウイルス製品というものが大変増えました。
認定された製品にSIAAというマークが付いているので、以前よりも確実に皆さんは、このSIAAというマークを目にする機会がどんどん増えています。しかし残念ながら認知度はあまり高くありませんでした。そのため一般消費者の方に、このSIAAマークを認知させたいという思いがありました。
どのような提案をしましたか。
コロナ禍で会員さんが350社から1000社まで増加したけれども、SIAAマークの認知がまだ足りていないという課題のご相談いただいて、ただ広告をやるだけじゃなくて、何か面白いものができたらいいなと思い、キャラクター作成の提案をさせていただきました。
それは、どのようなキャラクターですか?
衛生ヒーローという戦隊もののキャラクターです。
3体、色が違うキャラクターがいます。緑は抗菌加工のキャラクター。赤は抗ウイルス加工のキャラクター、紫は防カビ加工のキャラクターとなっています。
このキャラクターを作るにあたり、単によくあるヒーローものに、当て込んだのではなく、実はきちんと意味があるものになっています。
専門機関の方にお聞きし、キャラクター開発を行いました。例えばウイルス。ウイルスは凄く小さいので、それを表すように他のキャラクターよりもちょっとサイズを小さくしています。またウイルスが見えるようにスコープを持っています。防カビですと、カビはあまり私達の目では見にくいんですが、サイズ感としては大きいらしいんです。なので、大きくてちょっと強そうなキャラクターという風に、それぞれの特性が活かされています。
抗菌製品技術協議会の反応はいかがでしたか。
子供に達に認知されるためには、やはりお子さん向けにまずこの内容を知っていただきたいという思いもありましたので、一般消費者の方向けにしっかりキャラクターを作ろうということに決定しました。
布施さんが話したように、このマークの色が全部違うということが、ポイントになっています。きちんと意味を持ったものを作るということで、日本の抗菌試験や防カビ試験、抗ウイルス試験を行っている試験機関全ての担当者の方を集めて、抗菌、抗ウイルスのイメージからまず確認してからキャラクターを起こしていきました。
皆さん忙しい方達なのですが、通常の業務とは全く違う仕事のため、たくさん意見が出て盛り上がりました。キャラクター作りは、とても楽しかったですね。
キャラクターが出来上がるまで、専門家の方達の声は全部生かされています。
キャラクターにより、認知度が向上
正式にキャラクターが誕生後は、どのような反応がありましたか。
通常のキャラクター以外に、比率を変えた3頭身ぐらいの2パターンを製作していただきました。カッコいいタイプとちょっとカワイイタイプで、皆さんからはかなり好評でした。
昨年の9月9日にLPを作り、このキャラクターを発表したのですが、すでにこのキャラクターを使いたいという依頼を何社かいただいています。ガイドラインも出来上がりましたので、各会員企業様にこのキャラクターを無償で使っていただける体制となっています。
一般の方も来場されるような展示会のブースで使っていただいたりしました。今後は、一般のお店でPOPなどに使っていただけるようになると、嬉しいですね。
やはり、無機系の抗菌剤は日本からスタートしておりますので、世界にどんどん出していきたいですね。アジアの展示会等にもよく参加しますので出して行こうと考えています。
昨年の9月、国際福祉機器展に出展しました。このキャラクターを大々的に皆さんに見ていただくように、等身大のパネルを作ったり、あとブース自体をキャラクターにして設問コーナーを作ったりしました。海外の方たちが結構足を止めていただいて、写真を撮らしてくださいという声は多かったです。日本の強みであるこのキャラクターを使うことによって、さらに海外でも発信できるかなと考えています。
今後は色々な派生も考えられますね。
そうですね。会員企業様はいろいろな製品を作られていますので、ノベルティを作るのもすごく簡単です。
抗ウイルスの印刷メーカーさんインキメーカーさんも入っていますので、キャラクターを使ったパネルやクリアファイルも、すぐに作ることができます。まずお弁当箱を作って会員企業様には配布していこうと考えています。
アイデアは、諦めずに何度も提案
デイリースポーツ案内広告社に頼んで良かった点は?
LPもそうなんですが、何パターンかの提案をいただきます。選択権をいただくことによって、よりこれがいいよねという形で選択できたことが、すごく良かったと感じています。
提案がすんなり通らず悔しがっていることも見たことがありますが、布施さんが体育会系ということもあり、諦めずにいろんな提案をしていただけます。その思いは受け止めて、私どもとしても何とか一緒になってやっていければという考えになりますね。同時に、LPをどのように運用していくかなど、アドバイスをいただきながら進めていますので、すごく助かっております。
嬉しいお言葉をいただけて、私もすごくやってよかったと思っています。まだまだ作ったばかりなので、これから石田さんたちとさらに展開ができそうですので、それが楽しみです。
先ほどの悔しさですが、その思いも素直にお伝えさせていただいて。でもこういうことが言える関係性を作ってくださるのも、石田さんがすごく話しやすい環境を作ってくださっているからです。他の皆さんにも密にコミュニケーション取らせていただいているからこそ私も本音で話し合えるので、本当にありがたいし、思いやりのあるクライアントさんだなと感謝しています。
今後の展望はございますか。
今後、試験規格が増えていきますので、それに合わせてキャラクターも増えていきます。
また、SIAAマークをつけているから大丈夫で終わらずに、さらに信頼性を高めていきたいと考えています。その一環として、入会されている各企業さんに定期的性能チェックを行っております。会員企業さんの方から製品を出していただいて、日本の公的機関で振り分けて試験を実施。効果があるかの確認をしています。
さらに、市場買上げ試験をスタートします。抗ウイルス製品、抗菌製品、トイレタリーなど、色々な分野からその都度テーマを決めて、製品を買い上げて試験を行います。ダブルチェックを行い、より信頼性を上げていこうという動きになっております。
今後、デイリースポーツ案内広告社に期待することはありますか。
最近ですとSNSなどは当たり前になってきています。布施さんからLINEスタンプのお話をいただいたりもしました。流行はどんどん変わりますし、1年でも変わります。どんどん新しい提案をいただいて、生かせていければと考えています。
また会員企業はたくさんいらっしゃいます。会社ごとに皆さん会費を出して運用されているので、より使いやすいような提案をいただければありがたいですね。
流行に合わせた提案や新しい提案で、かつ会員企業さんが実施した後のイメージしやすいものっていうのはすごく大事だということを、石田さんの言葉で感じました。また改めてお時間いただいて、いろいろな提案を実現していけたらと思います
まずは、先ほどお話しした新たな試験規格が決まって行く予定なので、キャラクターの案を増やしていければと思っております。今後ともよろしくお願いします。