シニアマーケティングは難しい?抑えるべきポイントを紹介 | 株式会社デイリースポーツ案内広告社
COLUMN

シニアマーケティングは難しい?抑えるべきポイントを紹介

公開日:2023年5月19日更新日:2023年5月23日 シニアマーケティングは難しい?抑えるべきポイントを紹介


2025年には、65歳以上の人口数が3,657万人と予想されており、全人口の30.3%の割合を占めます。つまり3人に1人が65歳以上のシニア世代になり、今後シニア市場は急速に拡大しています。

しかしシニア市場のマーケティングはZ世代・ミレニアル世代と比較して事例が少ないことや定年退職後の行動パターンや情報が見えづらいことから、シニアマーケティングは難しいと言われています。その大きな要因の1つは、シニア世代の情報がデジタル上に蓄積されていないことなどが挙げられます。

今回はそんなシニア世代をターゲットにした「シニアマーケティング」のポイントについて解説していきます。

シニアマーケティングが難しい理由

なぜシニアマーケティングが難しいかというと、マーケティングにおいて最も重要とも言える「顧客の理解」が難しいからです。

マーケターが顧客であるシニア世代への理解、課題・ニーズを実体験から知る機会が少なく事例もないことからシニアマーケティングは難しいとされています。本項では更にシニアマーケティングが難しい大きな理由を3つに分けて解説していきます。

シニアと一括りにしてしまいがち

そもそもマーケティング分野におけるシニア世代は60歳以上をシニアと捉えるケースが多いです。シニアといっても体力も考え方もまったく異なります。

しかし、世間はいまだに年齢や個人のバックグラウンドを考慮せず「シニア」というひとつのラベルしか持っていません。シニアマーケティングの際に定年退職後の世代すべてをターゲットにしてしまいがちです。

これがシニアマーケティングを難しくしているひとつの要因で、シニア世代の細かな特性や嗜好まで考慮したマーケティングができていないケースが多く見られます。

シニアの感覚を自分事として捉えにくい

次に、シニアの感覚を自分事として捉えにくいことも要因といえます。自分の年齢から大きく離れていて、65歳を超えると多くのサラリーマンは定年退職をしてしまうため、周囲の65歳以上の人間は多くありません。

そのため、シニア世代ではない人が、シニア世代の気持ちを理解する必要がありますが、まだ経験したことのないシニア世代の立場や気持ちを自分事として想像することは難しいのです。

戦略を立てる上での情報が得にくい

シニア世代は企業を定年退職しているので、ターゲット層の勤務先や年収といった情報が失われます。引退後の生活や興味、好みを想像するヒントを得ることが難しくなってしまい、結果としてターゲティングが実態と乖離してしまい、シニアマーケティングが失敗しがちな要因となっています。

シニア世代の4類型

シニア世代を一括りにまとめてしまうとシニアマーケティング失敗に陥ります。
ここからはシニアの種型を4つに分けて説明していきます。

アクティブ・シニア

「アクティブ・シニア」とは、仕事や趣味の活動に積極的かつ健康意識の高い活発な高齢者のことを指します。

定年退職後も、趣味やスポーツ、旅行、ボランティア活動など、様々な分野で活躍しています。近年、高齢者の生活習慣や医療技術の進歩により、平均寿命が延び、健康な状態で長く生きることが可能になってきました。

このような状況下で、アクティブ・シニアという概念が注目されるようになりました。アクティブ・シニアは、年齢を重ねたからといって、ただ暮らしを縮小するのではなく、社会的に積極的に生きることを選択しています。

また、スポーツをすることで健康的な身体を維持し、同世代と交流することもできます。ボランティア活動を通して、社会貢献することで、自分自身の生きがいを見つけることができます。アクティブ・シニアはこれまでシニアマーケティングで想定されてきた「金時持ち」といわれる人たちになります。

ディフェンシブ・シニア

ディフェンシブ・シニアとは非就労で比較的収入は少ないながら健常に暮らしている層を指します。本項で紹介する4つのグループの中で人口規模は最も大きくなります。

メインとなる需要は、不満・不安を解消する「モノ」消費で大きな需要を取るチャンスが眠っている層にもなります。この層に向けてのアプローチのポイントは「選ばれる」ことで、華々しい創造的需要ではなく、必需品消費の中で共感をもってもらえれば、優良なリピート客になる可能性があります。

ギャップ・シニア

ギャップ・シニアは要介護という状態ではなく、日常生活の中で諦めや我慢が積み重なっている状態のシニア層を指します。
ギャップ・シニアという言葉は2014年に日本総研が命名し提唱した言葉になります。「できること」と「やりたいこと」とのギャップがある人たちを意味しています。

ギャップ・シニアはディフェンシブ・シニアにつぐ人口規模になりますが、ギャップ・シニアは要介護・要支援のシニア(ケア・シニア)に比べ、行政や福祉から把握されにくく、自ら情報を集める意欲も低い傾向がみられます。
そのため、制度弱者・情報弱者に陥りやすいという問題も帯びています。

ケア・シニア

ケア・シニアは身体的な障害により、日常生活において家族やヘルパー、医療従事者の助けを必要とし、自治体により「要支援(要介護)」と認定されているシニア層を指します。収入は年金のみで消費活動は生活必需品が中心となります。マーケティングの面からケア・シニアを考える場合は、自身ではなく、身内など他の人が決裁権を有することも多いので、留意する必要です。

難しいシニアマーケティング成功させるポイント

シニア世代といっても、興味も嗜好も異なります。シニアマーケティングを成功させるためには、ターゲットの絞り込みや適切なメッセージを適切なタイミングで伝え、共感を得ることが大切です。

そのために、具体的で明確な顧客像(=ペルソナ)を策定する必要があります。シニア世代の顧客増を策定する場合には4つ注意するポイントがあります。

大まかなターゲットを選定する

最初のステップとして、ターゲティングが重要になります。

ターゲティングとは、サービスを売る相手を絞り込むことです。販売相手である顧客は、年齢や家族構成、職業、生活スタイルなど人によって違いがあるため、自社商品が誰にニーズがあるのか、いくつかのグループに分けてターゲットを絞る必要があります。

この「ターゲットを絞ること」がターゲティングです。ターゲティングするにあたり、年齢層によって大きく変わるトレンドを把握する必要があります。シニアのトレンドは大きく変わります。

直近の60代であればSNS(Twitter・Facebook・Instagram・TikTok)を活用して自身の推しクリエイターを見つけたり、外部の人と関わりを積極的に持ったりと積極的なシニア層もいます。もちろん、その逆の傾向にあるシニア層もいるので、全てのシニア層がトレンドに敏感であるわけではありません。

シニアによってはトレンドや最先端のスマホなどに興味があっても「この年になってそんなこと言っても」と塞ぎがちになっている方がいることも事実です。

つまり、シニアを一括りにして考えることはできず、どのようにターゲティングしていくかがポイントになります。シニア層のターゲティング後必要になるのは興味関心の分野をピンポイントに絞り込むことです。

シニア層が若者文化とは相対する、新しい学びへ消極的というのは一昔前のシニア層の考え方にすぎません。シニア層の方々は、これまでの人生で積み重ねてきた知識や経験が豊富です。

ただし、それは経験のある分野に限られます。未経験だったり知識が無かったりするところについてはとても貪欲に学び、失敗を恐れず挑戦する方が多いため、ピンポイントでマーケティングを展開しニーズに訴求すれば、ヒットする可能性は大きく上がります。

ファッションやガジェット、シニアの恋愛など、ピンポイントで訴求することによって、シニアに響くマーケティングが展開できるようになります。

より深堀したペルソナをつくる


次はペルソナの設計をします。ペルソナはもともと古典劇で役者が使用する「仮面」を意味し、「商品・サービスの対象となる架空の人物像を、具体的なイメージに落とし込んだもの」を指します。

ペルソナを設定することで、自社商品の顧客イメージを統一させ、コンセプトをぶれさせないといった効果があります。大枠のターゲティングでは絞りきれないところを、ペルソナを設定することで明確にしていきます。

ペルソナ設定のポイントは時間の使い方まで設定することです。シニアマーケティングにおけるペルソナ設定は、他の世代と比べると難しいです。

理由はシニアの「時間の多様性」の理解が難しく、シニア層の人たちは子どもや孫が手を離れたり定年退職したりすることで急激に時間が増加します。時間の増加については、「大学卒業から定年まで」の約40年と「定年後の時間」がほぼ同じと言われるほどです。「定年後の時間」は人それぞれではあるものの、可処分時間が多いことは確実です。

時間の使い方までを踏まえた設計は難易度が高いですが、ぜひ取り組んでみることを推奨します。

ペルソナにあった戦略を策定する

次に、ペルソナに合わせたプロモーション戦略を立てることが重要です。シニア層は、テレビやラジオ、新聞などの従来型メディアをよく利用する傾向があります。

しかし設定したペルソナが従来型のメディアから離れている場合もあります。スマートフォンを頻繁に使用するペルソナ設定の場合はSNSでの広告やシニア向けのSNSやインターネットサイトもメディアを活用したマーケティング戦略も有効です。

さらに、シニア層には、購入前に商品やサービスについて十分な情報収集をする傾向があります。その、商品やサービスに関する情報をわかりやすく提供することが重要です。

オフラインとオンラインを組み合わせる

テレビCMに代表されるオフライン広告とリスティング広告などに代表されるオンライン広告はそれぞれ機能や期待できる効果がことなります。

そのため、両方を組み合わせることで、複数の接点をシニア層と作ることができます。認知度を高め、オンライン広告でその後の誘導やフォローアップを行うことで、効果的なマーケティングが展開できます。

まとめ

本記事ではシニアマーケティングいついて紹介しました。本記事を最後まで読んでくださった方は、シニアマーケティングが難しいと言われる所以は「顧客理解にあり」ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

シニア層向けにマーケティング施策を検討されている方は押さえておきましょう。

お問い合わせ

takabishi_01
高菱 元汰 デイリースポーツ案内広告社・営業部・係長

新卒で金融業界へ。法人向け貸付業務に従事。 当時、在籍していた会社のテレビCMを見て提案する側になりたいと考え転職を決意。 2019年10月に入社。 テレビCM・キャスティング・CM制作・交通・OOH等の実績あり。 座右の銘:「あらゆる事象は心の反映である。」

一覧へもどる

アイデアで
コミュニケーションを変え、
アイデアで社会を変える。